TEAM au 藤井快に聞く、ボルダリング上達へのトレーニングとは?「楽しむことが、一番のトレーニング」

ボルダリングを始めて間もないうちは「もっと上手くなりたい」、「もっと強くなりたい」と上達法を知りたい方も多いことでしょう。でも、初心者にはいまいちトレーニングの仕方がわからないはず。今回は、ボルダリングジム「B-PUMP TOKYO 秋葉原」(東京都文京区)で利用者向けの上達指導の講師も務めているTEAM auの藤井快選手に、トレーニングへの考え方、おすすめのトレーニング法を聞きました。

ボルダリングで最も重要な能力とは?

今回は初心者に向けて、ボルダリングとトレーニングという観点からお話を伺います。まず、ボルダリングに必要な能力として握力や指先の力、上腕によるパワー、体幹など色々な要素がないと登れないのでは......という印象を持つ方も多いと思いますが、藤井選手の考えとは?

最も必要なのは、指の力による「保持力」だと思います。それさえあれば登れると思っています。たとえどんなにムキムキの人でも、体幹が強くても、ホールドを持てないと動けないことが多いんです。

保持力を強くする近道はあるのでしょうか?

僕も知りたいくらいです(笑)。保持力を鍛えるのなら、まずは登ること。それに尽きますね。保持力アップに特化した専門のトレーニングは、初心者には必要ないと思います。

まずは登って、楽しむこと

保持力は、登り込むうちに自然と鍛えられるものなんですね。

そうですね。だから「まずは登る」ことを僕はおすすめしたいです。初心者の方も「まずは登りたい」と思うんですよ。登り始めてハマっていけば、登れない課題が出てくる。その時に、どこを改善したら登りやすいか、自然と自分に足りないものを意識して、トレーニングしたくなると思うんです。そうなったらもう、僕は中級者だと思います。トレーニングをして登るというよりは、登るためにトレーニングをする。登ることから入ってトレーニングに派生する考え方の方が、しっくりきます。

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まずは登って楽しめば、必要なものはついてくると。

はい。クライミングに必要な要素は、ある程度登り込んでいくだけで自然と身についてくると思います。「楽しい!」が続けば、勝手に強くなっていくのかなって。僕も本当に「楽しい」という思いからこの世界に入ったので。

藤井快選手が実践する体幹トレーニングを紹介!

保持力を鍛えるには、登ることが何よりのトレーニングだと藤井選手は教えてくれましたが、今回はジムや自宅で手軽にできる体幹トレーニングを教えてもらいました。クライミングで大事な要素の一つである体幹が安定すると、体がブレずに重心移動ができるようになります。ボルダリング上達を目指すならば保持力とともに鍛えておきたいポイントです。

POINT!
1. その1~3を、1分ずつインターバルを置いて順番に行うサーキット方式で行う
2. 力を入れる時に息を吐いて、抜く時に吸う。きちんと呼吸することも意識しましょう

体幹トレーニング その1
回数:10~20回ほど×2~3セット

藤井選手の体幹トレーニングその1
藤井選手の体幹トレーニングその1

膝を立てて仰向けになり、両腕を伸ばして太腿につける。そこから腰を起こして、膝にタッチするくらいまで体を引き上げましょう。膝が低いと引き上げるのが難しくなるので、なるべく立てた状態で。続いて体の片側のみを引き上げるクロスバージョンも、左右10~20回ほどずつ行いましょう。

体幹トレーニング その2
回数:10回ほど×2~3セット

藤井選手の体幹トレーニングその2

次はフラットな仰向けの状態から、90度近くになるまで両脚を上げて、下ろしていきます。腰が反らないことを意識しましょう。腰の下にタオルを入れるとやりやすいはずです。腸腰筋が鍛えられ、バランス力向上に繋がります。

体幹トレーニング その3
回数:左右10回ほど×2~3セット

藤井選手の体幹トレーニングその3

対角にある腕と脚を、地面から浮かせて引き寄せた状態から、できるだけ真っすぐに伸ばしていきます。肩甲骨が落ちがちな人がいるので、しっかりと張って、腰も反らさないように注意しましょう。

最初は週に1、2回で十分。登り過ぎには気をつけて

皆さんもここで紹介したトレーニングを実践して、ジムで楽しみながらボルダリングを上達していきましょう。気になるトレーニングに頻度についても藤井選手からアドバイスをもらいました。

実際に初心者の方がジムを訪れるのに、オススメの頻度はありますか?

最初は平日に1回、週末に1回の週2回が良いかもしれません。始めたばかりでたくさん登ってしまうと怪我もしやすいので、レスト日を挟むことも重要です。初心者の方がある程度の実力を身につけるためには十分だと思いますね。登れるようになって、体力や時間的にも余裕があるのであれば、平日にもう1回増やすのもありでしょう。週に2回は難しいという方でも、週に1度、その1度を大きく疲労を感じるまでストイックに登れば、実力は上がっていくはずです。

思い悩んだ時にオススメのアプローチ方法はありますか?

専門家に聞くのが一番だと思うので、例えばジムスタッフの方にアドバイスを求めるといいかもしれません。あとは上手い人の登りを、直接だったり動画などで見ることも有効です。登りのイメージを自分の中で持つこと。それがあるだけで違うはずです。あるいは、クライミング以外のことをして、一度クライミングから離れてみるのも一つの手ではないでしょうか。

最後に、上達を目指す方々へのメッセージをお願いします。

やはり純粋に楽しむことこそが、上達するうえで必要な原動力です。クライミングを始める動機にはいろいろなものがあると思いますが、「楽しい」という感覚がついてくると、自分からアプローチもしていきやすいですし、そうすればあとは勝手に強くなっていくと思います。ぜひボルダリングを楽しんで、続けてください!

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取材・文:CLIMBERS編集部
写真:大杉和広
取材協力:B-PUMP TOKYO 荻窪店

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