TEAM auが男女で金!藤井快バースデーV、伊藤ふたば複合初優勝。楢﨑明智も銅獲得/IFSC複合予選会 トゥールーズ 2019

11月28日~12月1日、フランス・トゥールーズにてIFSC複合予選会が開催され、男子は27歳の誕生日を迎えた藤井快が1位、楢﨑明智が3位、女子でも伊藤ふたばが1位となり、大会に出場したTEAM auの3選手が金2つを含む3つのメダルを獲得した。

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男子決勝

男子は28日に予選を実施。日本からは藤井(TEAM au)、楢﨑(TEAM au)、杉本怜、土肥圭太が出場し、藤井が6位、楢﨑が8位で上位8名による決勝進出を決めた。迎えた30日の決勝。第1種目のスピードは、初戦で藤井が敗れる一方、楢﨑は僅差で勝利する。しかし楢﨑はその後2敗して4位に、藤井は敗者によるトーナメントで2勝して5位スタートとなった。

 続くボルダリングは、先頭で登場したアダム・オンドラ(チェコ)がスピードでの最下位を取り戻すべく第1課題を2トライ目に完登する。その後、不安定な足場によりゾーン獲得から先に進めない選手ばかりだったが、5番手の楢﨑は長身を生かして軽々と一撃。その後完登者は現れず、完登に要したトライ数の差で楢﨑が1位発進となった。

 第2課題は藤井の独壇場に。スタートからの一手を止められずゾーン獲得でさえ苦労する選手が続く中で、藤井は3トライ目に難所を突破すると、パワーとテクニックを駆使してTOPまで到達。喜びをかみしめるようにガッツポーズを繰り返し、結果的にこの課題唯一の完登者となった。

 2つのダイナミックなムーブが続いた最終第3課題は、藤井が9トライ目に、楢﨑が4トライ目に片手でのゴール取りを成功。オンドラが攻略に失敗していたため、ボルダリングは楢﨑が1位、藤井が2位となり、総合でも楢﨑が4ポイントで1位、藤井が10ポイントで3位に浮上した。

 雌雄を決する最終種目のリードは、ここまで総合6位のオンドラがTOPに迫る高度34に到達。暫定ながら総合首位に立った。オンドラの記録が破られないまま、6番手の藤井が登場。最近リードに力を入れているという藤井は、慎重に高度を上げていくと高度33/34のホールドに到達。右手で掴んだあと、左手で取りに行くところでフォールしてしまい、記録は33+。この種目でオンドラに勝利することはできなかったが、総合順位ではオンドラを上回ることに成功した。そしてマエムが高度16+に終わったため、リードで5位以上になれば優勝が決まる状況で最後の順番が回ってきた楢﨑。しかし26+で力尽きてしまい、結果は7位に終わった。

 これで総合順位が確定。ボルダリングとリードで2位を確保した藤井が20ポイントで優勝し、オンドラが24ポイントで2位、楢﨑が28ポイントで3位となった。日本出発時に「優勝を目指して練習してきた」と話していた藤井が、27回目の誕生日を迎えたこの日、有言実行の金メダルを獲得した。

女子決勝

一方の女子では、29日の予選に日本から森秋彩と伊藤ふたば(TEAM au)が出場。森は1位、伊藤は5位で、順当に1日の決勝へ駒を進めた。前日の藤井快に続くTEAM auの優勝に期待が高まるなか行われたファイナルは、第1種目スピードで伊藤が初戦に勝利。しかし続くキーラ・コンディー(アメリカ)とのデッドヒートを落とすと、3位決定戦でも序盤のスリップが響いて敗れ、4位でこの種目を終える。

 第2種目のボルダリングは、日本勢が上位争いをけん引する。先頭で登場した森は第1課題、3トライ目にトウフックを交えてピタリとゾーン取りを決めると、無駄のない動きで一気にTOPまで到達する。5番手の伊藤はそれを上回る二撃で仕留め、伊藤2位、森3位で第2課題へと進んだ。

 ゾーンに付いたカチホールドへの飛びつきが攻略の肝となった第2課題。森は2トライ目で核心を捉えると、そのまま完登。伊藤も同じく2トライ目で沈め、伊藤が首位、森が2位に浮上した。最終課題は森が一撃し、伊藤は2トライ以上かけてしまうと1位から陥落するところだったが、何度も体勢を整えながら進む粘りのトライで一撃。会心のガッツポーズも飛び出して、総合順位でも伊藤が首位、森は5位に上昇した。

そして最終種目のリード。先頭を登るミア・クランプル(スロベニア)が最終パートに突入する高度32を保持した直後にフォールすると、2・3番手はそのホールドを取りに行く高度31+で力尽き、ここを越えられるかが上位進出の目安となった。この直後に4番手として森が登場。森は危なげなく高度31まで到達すると、32へのムーブを起こしかけた直後に後退。改めて体勢を整えて取りにいこうとしたが、その間に体力が消耗してしまったのかここで落下となった。

 その後、クランプルの記録は破られないまま競技が進み、最終8番手の伊藤が登場する。この時点での総合暫定1位は30ポイントのジュリア・シャノーディ(フランス)で、4ポイントの伊藤は7位以内で優勝の圧倒的優位な状況となった。伊藤は残された最後の力を振り絞りながら進んでいくと、カプリナの高度8を超え、7位以内が確定。24+で落下し7位に終わったが、合計28ポイントとなって見事に優勝を勝ち取った。国内外を通じ、3種目を1人の選手が行うコンバインド種目の大会で1位獲得はこれが初となった。

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<男子決勝>
1位:藤井 快 20ポイント(S 5位/B 2位/L 2位)
2位:アダム・オンドラ(CZE) 24ポイント(S 8位/B 3位/L 1位)
3位:楢﨑 明智 28ポイント(S 4位/B 1位/L 7位)
4位:バッサ・マエム(FRA) 64ポイント(S 1位/B 8位/L 8位)
5位:ヤン・ホイヤー(GER) 70ポイント(S 2位/B 7位/L 5位)
6位:パン・ユーフェイ(CHN) 72ポイント(S 3位/B 4位/L 6位)
7位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP) 105ポイント(S 7位/B 5位/L 3位)
8位:ナサニエル・コールマン(USA) 144ポイント(S 6位/B 6位/L 4位)

<女子決勝>
1位:伊藤 ふたば 28ポイント(S 4位/B 1位/L 7位)
2位:ジュリア・シャノーディ(FRA) 30ポイント(S 3位/B 5位/L 2位)
3位:ミア・クランプル(SLO) 49ポイント(S 7位/B 7位/L 1位)
4位:ルチカ・ラコベッチ(SLO) 54ポイント(S 6位/B 3位/L 3位)
5位:森 秋彩 64ポイント(S 8位/B 2位/L 4位)
6位:ユリヤ・カプリナ(RUS) 64ポイント(S 1位/B 8位/L 8位)
7位:キーラ・コンディー(USA) 72ポイント(S 2位/B 6位/L 6位)
8位:ローラ・ロゴラ(ITA) 100ポイント(S 5位/B 4位/L 5位)

※左から順位、氏名、所属国、各種目順位の値を掛け合わせた総合ポイント、各種目順位(S=スピード、B=ボルダリング、L=リード)
※同ポイントの場合、順位が上回った種目数の多い選手が上位

文:CLIMBERS編集部
写真:PRESSE SPORTS/アフロ

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