ボルダリング上達のコツ!ホールドの基本的な掴み方【前編】

先日公開した記事「いまさら聞けないボルダリングの基礎知識:ホールド編」で、その基本的な種類や用途について学んだモデルの豊田恭兵さん。勉強した後は実際に触ってみよう!ということで、引き続きジムオーナー兼ルートセッターの岩橋由洋さんが指導。ボルダリング上達のために知っておくべき、各ホールドの掴み方を教えてくれました。

ガバ

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岩橋:持つ時の手の掛かりがよく、"ガバッ"と持てる最も基本的なホールドで、初心者向けの優しい課題に多く使われます。手のひら全体で握り込むように持つのが基本。握りながら引っ掛けるようなイメージで持つのがコツです。ホールドのサイズによっては両手で持つものもあり、そういう場合はマッチ(両手で持つ)した方が楽になります。指で引っ掛けるサイズのガバもあるので、ホールドのサイズをよく見て持ち方を判断しましょう。

オブザベーションする時は、ホールドの位置・手順をよく観察しましょう。ガバは持ちやすいので、どう持つかよりもどちらの手で持つかを確認します。初心者向けの課題では複雑な動きはないので、手順さえわかっていれば登れるようになっています。課題の難易度が上がっていくと、ガバを両手で持って手を入れ替えて次のホールドを取りにいくような動きも出てきます。

豊田:ガバはボルダリング検定5級の課題にもよく使われていたので、一番馴染みがあるし、持ちやすくて安心感がありますね。

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カチ

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岩橋:ガバよりも指の掛かりが薄く、指の先端で持つホールドがカチです。カチの持ち方には3種類あり、ホールドの掛かり具合や用途によって持ち方を使い分けます。

■カチ持ち

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指をホールドに引っ掛けて、親指を添えて指全体を立てるのが「カチ持ち」です。親指と小指で3本の指を挟んで、真ん中に力を集中させるようなイメージで持ちます。よりホールドが細かくなって持ちにくい時に使います。親指を巻き込んで持つため手首がロックされて可動域は少なくなりますが、指の先端に力を集中できるので固めて登る時に最適な持ち方です。

■セミアーケ

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カチ持ちから親指を外した持ち方が「セミアーケ」です。この後に説明するオープンハンドよりも持ちにくい場合に使います。セミアーケは親指を外している分、手首はあまり制限されないので持ちやすく、動きやすい持ち方になります。

■オープンハンド

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指を立てずに先端だけカチに引っ掛けるのが「オープンハンド」です。3つの中で一番楽な持ち方になります。腕が張りにくいので、リードの課題を登る時はオープンハンドを使うと楽に登れます。手首も固定されないので、可動域も広く動きやすい持ち方です。

この3つの持ち方のイメージはそれぞれ、カチ持ちが握る、オープンハンドは引っ掛けるだけ、セミアーケは2つの中間という感じで、「握る」から徐々に「引っ掛ける」というイメージになっていきます。オープンハンドは腱で引っ掛けるイメージなのでパンプしにくいのですが、カチ持ちとセミアーケは筋肉も使うのでパンプしやすくなります。

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豊田:カチ持ちはやり慣れていないせいか、本当に持ちづらいです。セミアーケやオープンハンドのほうが手首の自由が利くのでまだ持ちやすいです。登り込んで腱が鍛えられたら、もっと安定して握れるようになりそうですね。

ポケット

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岩橋:文字通りホールドに穴が開いているポケットは、その穴に指を引っ掛けて持ちます。穴の大きさによって指は1~3本と変わります。引っ掛ける指の数によってワンフィンガー、ツーフィンガー、スリーフィンガーと呼び、その他に「俵持ち」という持ち方もあります。

引っ掛ける指は、ワンフィンガーの場合は中指、ツーフィンガーは基本的に中指・薬指、スリーフィンガーは人差し指・中指・薬指になります。ツーフィンガーで中指・薬指が基本なのは、人差し指と中指の2本に比べると、中指と薬指のほうが腕に対してよりまっすぐ掛けることができるので力がまっすぐ伝わるからです。指の細い女性はスリーフィンガーで持ちやすいためポケットを得意としていますが、指の太い男性は同じポケットでもツーフィンガーになってしまうので苦手とする傾向があります。指1本の差で持ちやすさはだいぶ違ってきますね。

先ほど言った俵持ちは、指を2本入れても少しブカブカする場合に使います。指3本を俵のように重ね、中指で潰して人差し指と薬指の側面を効かせるイメージですね。上級者向けの持ち方にはなりますが、2本ではしっくりこず、俵持ちだとうまくいくという場合はけっこうあります。

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持ち方の基本はカチのパートで紹介したオープンハンドと同じ要領で、指は立てずに引っ掛けるイメージになります。課題によっては指を立てる場合もありますが、腱がまだ弱い初心者の方が指を立ててしまうと腱を痛めてしまいます。クライミングを始めて1~2年という人でも痛めることがあります。そうした怪我のリスクがあるので、最近ではコンペでも負荷の高いワンフィンガーのポケットは使われなくなりました。

豊田:ポケットは5級の課題でも触ったことがないかもしれません。指2本を引っ掛けるだけとなると、最初は怖いですね。持つ前は人差し指と中指のほうが良さそうに思いましたが、実際に持ってみると中指と薬指のほうが安定します。今回もすごく勉強になりました。後編では、「ピンチ」「スローパー」「ハリボテ」の対処方を紹介します。

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  • 岩橋由洋(いわはし・よしひろ)
    クライミングジム「DOGWOOD」高津店と調布店のオーナーを務める傍ら、日本山岳・スポーツクライミング協会公認のルートセット資格を持ち、様々な大会のセットで全国を飛び回っている。ホールド事情に精通しており、その収集が趣味。

※掲載内容は2019年11月時点の情報です。

取材・文:篠 幸彦
写真:大杉 和広
撮影協力:DOGWOOD 調布店

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