au SPEED STARS 2019 9秒台を目指して、世界の強豪へ挑む/野口啓代インタビュー

au SPEED STARS 2019 SPEED CLIMBING CUPが5月12日(日)、モリパークアウトドアヴィレッジ(東京・昭島)にて開催される。SPEED STARSは2017年から開催されている、日本で数少ないスピード種目のみで行われる大会。今大会にも国内外のトップ選手が集結。8月の世界選手権に向けてスピードの強化を進めるTEAM au野口啓代にスピードの魅力、大会への意気込みを聞いた。

SJC初代王者が専属コーチに

acimg_20190426_3_photo1.jpg
<SJC2019 写真:田村翔/アフロ>
最近のスピードへの取り組みはいかがですか?

「2月のスピードジャパンカップ(SJC)が終わってから池田雄大選手(SJC男子初代王者)にスピードのコーチをしてもらっています。W杯などの海外遠征がないときには、週に1回、(地元の茨城県・龍ヶ崎市にある)『たつのこアリーナ』でトレーニングするようにしています」

以前よりも練習頻度も上がってきた印象があります。

「毎週トレーニングを行うことで、感覚を忘れることがなくなってきました。以前は足元を見ないといけませんでしたが、今は見なくてもスムーズに登れるようになってきて、動きが自動化してきたと思います」

練習内容に変化はありましたか?

「以前はパートごとの練習が多くて、例えば足の動きが小さくなるパートだったり、ランジするパートだったり、部分ごとにフォーカスした練習をしてきましたが、今は『たつのこアリーナ』にタイマーが設置されたこともあって、パート練習よりもタイムを狙いにいく通し練習が増えてきました」

ご自身のムーブは定まってきた?

「固まってきましたね。私も他の日本代表選手と同様に、楢﨑智亜選手が編み出した(序盤にある左側のホールドを経由しない)『トモアスキップ』の練習をしてきました。しかし、3種目を並行してトレーニングする時間の問題や、大会でミスを避けることも考えて、『トモアスキップ』ではなく、今まで通りの一般的な左回りのムーブで自動化できるように取り組んでいます」

今の自己ベストは?

「公式記録だと去年11月のアジア選手権で計測した10秒372ですが、練習ではやっと9秒台が出せるようになってきました」

acimg_20190426_3_photo2.jpg
<アジア選手権倉吉2018>
スピードにも手応えを感じているようですね。

「以前よりもスピードの練習がすごく楽しいんです。うまく登れて最後のパッドを叩いたときに、9秒台出せたんじゃないかという感覚が増えてきています。10秒ジャストぐらいを出すことが多くて、そこを超えられるか超えられないか、ギリギリなところも楽しいですね」

苦手意識はなくなってきている?

「確実に埋まってきています。私はもともとリードとボルダーが得意ですし、16歳の時からW杯に出場しているので、やってきている年月を考えるとこの2種目を超えることはないと感じていますが、他の選手と比べても自己ベストを更新する頻度が高くなってきていると思います。スピードで世界一になることは難しいですが、コンバインド出場選手の中で良いタイムを出せたらいいですね」

自己ベスト更新が自信に、そして楽しさに

acimg_20190426_3_photo3.jpg
<世界選手件2018 スピード 写真:窪田亮>
野口選手にとって「SPEED STARS」はどんな大会ですか?

「国内ではスピードの大会数がまだ少ないので、日本で経験を積める貴重な機会になると思います。昨年もとりあえずスピードの大会に出てみようじゃないですけど、なるべく場数を踏んでいくという意味でも出場をしました。今大会では自己ベストを更新して、自信をさらに深めたいです」

「SPEED STARS」は海外一流選手が出場する点が魅力のひとつですが、海外のトップ選手と日本人選手との違いはどこにあると感じていますか?

「やはり取り組んでいる年月の長さだと思います。でも、私は日本人選手はスピードがすごく速いと感じています。日本ではスピードを専門としている選手は少なく、3種目を並行して行っている選手がほとんどですが、その中でもタイムがすごく縮まってきています」

8月には東京・八王子で世界選手権が行われますが、そこまでの目標タイムは?

「9秒5は出したいですね。昨年4月のW杯モスクワ大会で自己ベストを更新したときは11秒6くらいだったんです。それから何度か更新することができて、11月のアジア選手権で10秒372。今年4月に9秒台を記録できたら、このままの伸び率でいくと世界選手権の頃には9秒5に届くことができるんじゃないかなと考えています。練習してきちんと結果が出ると、さらに練習が楽しくなりますし、もう一歩上に目標を設定して取り組むことができます」

改めて、今大会への意気込みを教えてください。

「やはり自己ベストを更新したいですね。そして日本人選手の中でのトップも狙いたいですし、たくさん登れた方が勉強にもなると思うので、なるべく上のラウンドに進めたらいいなと思います」

最後に観戦される方へのメッセージをお願いします。

「日本でスピードのスペシャリストの登りが見られる機会は少ないので、特に男子は5秒台の速さで登るという凄さを感じてほしい。一見すると簡単そうに見えると思いますが、実際にやってみるとかなり難しい。どういうホールドを持っているのか興味を持たれた方は実際に触ってみてほしいですね。クライミング経験者の方でも、傾斜が95度で、途中に(ホールド間隔が)遠いパートもあるので簡単には感じないはずです。ルールが一目でわかりやすいところもスピードならでは。私も自己ベストが出せるように頑張るので、応援してもらえると嬉しいです」

取材・文:CLIMBERS編集部
写真:JMSCA/アフロ

powered by climbers