「しなやか」で「力強い」! 伊藤ふたばが実践するフィジカルコンディショニング

みなさん、クライミング前後のストレッチなど、体のケアはしっかり行っていますか?この記事では、昨年アジア選手権でボルダリング女王に輝き、今年のボルダリングジャパンカップ、スピードジャパンカップでも表彰台に立ったTEAM auの伊藤ふたば選手が登場。彼女のしなやかな登りを支えているフィジカルコンディショニングの一端を教えてもらいました。これであなたも、届かなかった一手が掴めるようになるかも?!

フィジカルコンディショニング①
肩まわりと股関節を温める

まずはクライミング前のストレッチから。直立した状態から片足を前に勢いよく下ろして、前足側の肘がくるぶしに当たるくらいまで上半身も下げていきます。さらに股関節に近い前腿と、回旋の動きで背中を伸ばしていき、後ろ足の太腿裏もしっかりストレッチしていきましょう。

その後、曲げた腕を真っすぐに上げていきます。両手を地面に置き、前足の膝を伸ばしてハムストリングをストレッチしましょう。これを左右4~5回ずつ、各ポジションで1~2秒静止して行います。

teamau_2019_03_03_01.jpg
<動作1:直立状態から片足を前へ大きく踏込む>
<動作2:上半身をかがむように下げる>
teamau_2019_03_03_02.jpg
<動作3:体勢を維持したまま腕をまっすぐ上げる>
<動作4:腕を戻し前足の膝を伸ばす>

「静的なストレッチだと体が伸びすぎてしまうので、動的なダイナミックストレッチで、体を温めながら柔軟性を高めていきます。腕を上げるときは天井に伸ばすイメージで、一本線が入っているイメージで行うのがポイントです。数回やるだけで温まってきますよ」

フィジカルコンディショニング②
大臀筋を呼び起こす

両ひざを曲げ、片足を前に出した状態で座ります。後ろ足のひざは横に向かせます。後ろ足のひざとは反対方向に上半身を傾け、肘で身体を固定します。そして上半身をまっすぐに保ちながら、体を前方に倒しましょう。最後に肘と膝を支点にして、お尻を持ち上げていきます。これを左右5回ずつ、ゆっくりとした動作で行います。

teamau_2019_03_03_03.jpg
<動作1:片足を前に出し座る>
teamau_2019_03_03_04.jpg
<動作2:上半身のみ前方に倒す>
teamau_2019_03_03_05.jpg
<動作3:肘と膝を支点にお尻を持ち上げる>

「こちらもクライミング前のストレッチに取り入れています。お尻に力が入りやすくなる感じですね。蹴り出す時やヒールをかける時にはお尻を使うので、そういったムーブがしやすくなります。動作2はまっすぐに保った骨盤を、前ひざに近づけるイメージで行うとやりやすいですよ」

フィジカルコンディショニング③
体幹と股関節の動きを鍛える

こちらはトレーニングとして取り組んでいるもの。地面と正対するように両手を付け、つま先立ちします。このまま、交互に足をスライドさせていきましょう。上半身は動かさず、脚だけでの動作を心がけます。初めのうちは20回1セットから。伊藤選手は30回(左右15回ずつ)を3セット行っています。

teamau_2019_03_03_07.jpg
<動作1:腕立て伏せの態勢に>
teamau_2019_03_03_06.jpg
<動作2:上半身は動かさず、足を交互にスライド>

「これは体幹と股関節の動きの向上に役立ちます。クライミングは足を上げる動作が多いですし、体幹は常に重要なので、クライミング全体に活きてきます。何か足の下に滑るものを敷くとベストです。床拭きシートのようなものだと、掃除もできて一石二鳥ですよ(笑)」

フィジカルコンディショニング④
股関節のクールダウン

クライミングで重要な股関節のクールダウンで行う静的ストレッチ。片膝をつき、後ろ足のつま先を腰の方へと引き寄せる。背筋を張りながら、前足側に重心を移動させます。この状態で、左右それぞれ30秒ほどを目安にキープしましょう。

teamau_2019_03_03_08.jpg
<動作1:片膝をつく>
teamau_2019_03_03_09.jpg
<動作2:後ろ足のつま先を引き上げる>
teamau_2019_03_03_10.jpg
<動作3:重心を前足側へ移動>

「股関節の付け根を伸ばすイメージですね。前に倒したときに、後ろ足のお尻に力を入れるとより伸びやすくなります」

メッセージfrom伊藤ふたば選手

「ちゃんとウォーミングアップをせず、壁で登ることをアップにしている方って多いと思うんです。私も最初はそうだったのですが、段々と床でのアップを取り入れ始めると、その違いが分かってきました。登っている時の可動域が大きくなりますし、登り出しの感触から違います。登り終わった後のストレッチもやるとやらないではだいぶ疲労感が変わってくると思います」

「クライミングをしていると、『あともう少し足が上がれば...』や『もっと体が柔らかかったら...』と感じる瞬間が出てくると思います。その時にストレッチしていて良かったなって思えるように、みなさんもぜひ取り入れてみてください!」

今回ご紹介している回数はあくまでも目安なので、無理のない範囲で、その時の体調に合わせてやってみましょう。

取材・文:CLIMBERS編集部
写真:永峰拓也
撮影協力:B-PUMP 荻窪店

powered by climbers