TEAM au 伊藤ふたば、藤井快が準優勝!/第1回スピードジャパンカップ

2月10日、第1回スピードジャパンカップ(SJC)がモリパークアウトドアヴィレッジ(東京都・昭島市)で開催された。女子は野中生萌、男子は池田雄大がそれぞれ初代スピード王者となった。TEAM auからは伊藤ふたば(2位)、野口啓代(3位)、藤井快(2位)の3選手が表彰台へ登った。

teamau_2019_02_02_01.jpg

SJCはボルダリング、リード、コンバインド(3種複合)に続く第4の「ジャパンカップ」として、今年初めて誕生した大会だ。毎回違った壁、課題を登るボルダリング、リードとは異なり、スピードは高さ15メートルの専用ウォールに世界共通の課題が設定され、その登る"速さ"を競うスプリント競技だ。男子39名、女子24名の選手がエントリーした今大会には日本初のスピード公式大会を一目見ようと、数多くの観客と報道陣が詰めかけた。

午前中に行われた予選は各選手が2回試技を行い、より速いタイムを予選記録として集計し、上位16名が決勝に進出するタイムレース形式。女子は16秒台、男子は8.6秒台が通過ラインとなる中、TEAM auの5選手を含めた有力選手が順当に決勝へと駒を進めた。一方、決勝は隣のレーンを登る選手との対戦形式で、タイムに関係なく先にゴールパッドにタッチした選手が勝ち上がっていくトーナメント戦となる。必ずしも持ちタイムが速い選手が勝つわけではなく、対戦相手との心理戦も重要なファクターとなってくる。

午後、先に行われた女子決勝では、日本女子最速タイム(8秒57)を持ち、予選を首位通過した野中がここでも順調に勝ち進んだ。1回戦、準々決勝ともに危なげない展開でベスト4に1番乗りすると、中村真緒、伊藤ふたば、野口啓代もそれに続いた。先月のボルダリングジャパンカップのファイナリストによる戦いとなった準決勝は、まずは野中が9秒62で中村に勝利し決勝へ。TEAM au同士の対決となった伊藤と野口の一戦は終盤で野口を突き放した伊藤に軍配が上がり、野中の待つ決勝に駒を進める。

迎えた決勝では、伊藤がこの日1番の好スタートを切るも、野中も負けじとゴールへと突き進み、ファイナルに相応しい好レースに。勝ったのは最後まで勢いが衰えなかった野中。タイムは野中が9秒38、伊藤が9秒65で、激しいデッドヒートを制した野中がBJCに続く「ジャパンカップ」連覇を決めた。3位には野口が入った。

teamau_2019_02_02_02.jpg

一方の男子決勝を盛り上げたのはTEAM auの藤井快。通過ラインぎりぎりの16位で決勝に滑り込んだ藤井は決勝トーナメント1回戦で予選1位通過の緒方良行と対戦。緒方有利に思われたが、藤井は予選でのミスを取り返す登りで自己ベストを更新する7秒01をマークし、7秒32の緒方に勝利する。勢いに乗った藤井は、準々決勝で杉本怜を、準決勝で15歳ながら6秒96の自己ベストを持つ抜井亮瑛を6秒92の更なる自己ベスト更新で打ち負かし、見事にファイナルまでたどり着いた。

トーナメントの反対の山では、序盤のホールドを飛ばして登る「智亜スキップ」を編み出し日本男子最速タイム(6秒69)を持つ楢﨑智亜と、国内で唯一スピード種目に専任する同ランキング3位の池田雄大が準決勝で激突した。今大会に向けて一緒に練習してきたという2人の戦いは、快調に飛ばした楢﨑が大きなリードを保ってゴールに迫る。しかしゴール直前で足を滑らせると、持ち直そうとした足も再度スリップ。その間に前に出た池田が、決勝への切符を手にした。

最終レースは、途中までリードする藤井にミスが出て、反対に大会を通して最後まで大きなミスが出なかった池田が悠々とゴールタッチ。大会前には「初代王者になりたい」と意気込んでいたスピード専門クライマーが、他にはない安定感で大会を制した。3位決定戦では再びゴール前でミスを犯した楢﨑に勝利した抜井が、国内シニア大会初の表彰台を決めている。なお、TEAM auの楢﨑明智は決勝トーナメント1回戦で敗れ、10位となった。

<伊藤ふたば選手 コメント>
最後は接戦で、もう少しで勝てそうだったので悔しいです。この寒さの中でなかなかタイムは出なかったので、安定して10秒台前半を出せたことは良かったと思います。スピードの選手に練習を見てもらって修正する部分を指摘してもらい、そこを直していくことで段々タイムも縮まってきました。(決勝で敗れた野中選手との差は)最後の3つのランジでいつも減速してしまうので、そこで差が出たと思います。追いつけるように改めて頑張ろうと思いました。

<野口啓代選手 コメント>
3種目の中で一番苦手な種目なので、表彰台に乗れてほっとしています。今後はスピードのコーチをつけることも考えています。地元の龍ケ崎市にもスピードの壁ができたばかりで、環境も整ってきました。スピードは見ていてわかりやすいですし、観戦しても面白いと思うので、こうやって第1回を開催したことで、今後たくさんの方に興味を持ってもらえるのではないかと思います

<藤井快選手 コメント>
決勝は勝てるかもと思ってしまったのがよくなかったです。そこまではタイムを出すということに集中できていて、準決勝はで公式記録で出したかった6秒台を出すことができました。スピードは人と競ってはいるんですけど、結局自分がミスをするかしないか。相手にミスをさせることはできない中、対自分ではなく対相手になってしまったのがよくなかったと思います

<楢﨑智亜選手 コメント>
準決勝で池田君との試合となった時に、彼は持ちタイムも速いですし、『攻めないといけない』と感じていました。6秒台ペースで登れていたと思ったんですが、予選からのリズムがズレて体が流れてしまいました。気持ちの焦りはなかったんですけど、スピードに乗れていた分、体が上がりすぎてミスをしてしまいました。全力を出したときに体をコントロールするのがまだまだ難しいですね。

<楢﨑明智選手 コメント>
今回は智亜スキップ(序盤の一部ホールドを経由しないムーブ)を練習し始めて、初めて使う大会だったので、まずはミスをしないレースをしたいなと思っていました。そうしたらすごい守りに入ったレースしかできなかった。来月のリードは得意種目なので、絶対に決勝に行きたいと思っています。

<女子決勝>
1位:野中 生萌(21)/9秒38
2位:伊藤 ふたば(16)/9秒65
3位:野口 啓代(29)/10秒91
4位:中村 真緒(18)/11秒34

<男子決勝>
1位:池田 雄大(21)/8秒23
2位:藤井 快(26)/11秒46
3位:抜井 亮瑛(15)/7秒21
4位:楢﨑 智亜(22)/記録なし(フォール)
----------
10位:楢﨑 明智(22)/7秒59(決勝1回戦)

※左から氏名、年齢、所属、記録
※1・2位は決勝、3・4位は3位決定戦の記録

取材・文:CLIMBERS編集部
写真:窪田亮

powered by climbers