初心者が『ボルダリング検定』5級合格を目指す、密着ドキュメント 【第1回】

au CLIMBING CHALLENGEでは「より多くの人にクライミングに親しんでもらいたい」という思いから新企画をスタート。まったくのボルダリング初心者が、日本クライミングジム連盟が主催する技能検定『ボルダリング検定』で5級合格を目指す道のりを追った密着ドキュメントです。今回挑戦するのは、キックボクシングが趣味というスポーツ万能の豊田恭兵さん(27歳)と、映画鑑賞とゲームが好きで普段はスポーツを一切しない葉月蓮さん(23歳)という、対照的なモデルの2人。来年2月に名古屋で開催される『ボルダリング検定』受験に向けて、この第1回ではボルダリングデビューの様子をお届けします。

オシャレなジムでは優しい店長がお出迎え

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2人のボルダリング初体験をサポートしてくれたのはFish and Bird二子玉川店(東京都世田谷区)。二子玉川駅から徒歩2分の好立地で、このジムでデビューする人も多い世田谷エリア有数の人気店だ。今回は店長の酒井さんが、初心者向けのインストラクションをしてくれました。

動きやすい格好に着替えた2人が初めに教えてもらったのは、レンタルする専用シューズの選び方。「ボルダリングのシューズは『少しキツいかも』と感じるくらいのサイズ感を選ぶこと。これはシューズが足にフィットしている方が、足の力を伝えやすく登りやすいためです」。続いてボルダリングでよく使う指先、腕、肩まわりに足首や首まわりも入念にストレッチして、いざ壁の前に向かいます。

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ジムの課題はレベルごとにテープで色分けされていますが、Fish and Birdでは一番簡単な8級が白、7級がピンク、6級がオレンジといった具合に、8級から初段まで9段階のグレードに色分けされています。「ジムには初心者や子どもから日本代表レベルのトップクライマーまで遊びにきます。その幅広いレベルの人たちを9段階で分けているので、一つグレードが上がるだけでレベルはかなり違いますよ」と酒井さん。「8〜6級が初心者、5〜4級が初級者、3〜2級が中級者、それ以上が上級者と言われます。まずは8〜6級の初心者グレードを抜け出せるように始めましょう!」。

初チャレンジの8級課題は意外と簡単?

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8級、7級の壁にチャレンジする豊田さんと葉月さん

最初のチャレンジは8級の課題です。初めてスタートホールドを掴んだ2人でしたが、スポーツ万能の豊田さんが軽々と登ると、普段はあまり運動しないという葉月さんも難なくクリア。続けて7級の課題も、2人は1回で登り切ってしまいます。その運動神経の良さとモデルならではの手足の長さには酒井さんもびっくりした様子でした。

ここで酒井さんから、さらなる上達のためにワンポイントアドバイス。「2人とも登る時に小さなホールドを見逃していて、足場に困って窮屈になりながら強引に登っていました」。そこで見逃した小さなホールドを足場にしてトライすると、より楽々と登ることが可能に。「どのホールドを使って登るかは自由だけれど、登る前にどこにどんなホールドがあるかをしっかり見て、どのように使うかをイメージする『オブザベーション』は、クライミングには欠かせないテクニックの一つです」。

通常のレッスンならここまでで終了とのことですが、ボルダリング検定5級が目標の2人は、その後も初心者向け課題を中心にボルダリングの基本ムーブを繰り返し練習していきます。何事も急がば回れ。先ずは基礎を学ぶことが大切です。

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完登後にグータッチで葉月さんを迎える酒井さん

いきなり、大技「ランジ」に挑戦!

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体験初日でランジ課題に挑戦する豊田さん

ボルダリングにもだいぶ慣れてきた2人に、"先生"も次なる難題を与えずにはいられません。提案されたのは、スタート直後にホールドからホールドへと飛びつく大技「ランジ」が登場する課題で5~4級相当とのこと。まず豊田さんがオブザベーションをしながらチャレンジしましたが、さすがに難しく失敗の連続。ここで再び酒井さんから「ホールドへ飛びつく時は、より楽にホールドを取るために"デッドポイント"を作ることがコツです」とワンポイントアドバイスがありました。

デッドポイントとは無重力状態のこと。ホールドを掴んで一度体全体を沈ませてから勢いをつけて立ち上がり、その勢いに乗って体が宙に浮かんだようになることで作ることができ、その宙に浮いた瞬間に手を出せば次のホールドを楽に取れるそうです。これを教えてもらった豊田さんが再挑戦すると、ついに5回目で成功。完登までは果たせなかったものの見事ランジを止めることができ、だいぶコツを掴むことができました。

ボルダリング検定に向けたオススメのトレーニングとは?

最後にクールダウンを兼ねた簡単な課題を登ってこの日は終了。トレーニング後、酒井さんに検定に向けた練習についてアドバイスをもらいました。

「まずは考えるよりもとにかく登ること。壁にいる時間が長ければそれだけ成長できます。難しい課題が登れなくて見ているのであれば、登れる課題をヘトヘトになるまで登る方が大切ですね」。ジムでの練習では、ウォーミングアップを兼ねて簡単な課題を軽く登ってから傾斜の強い壁を登るとより良いそうです。ただし、一つ注意したいのが登りすぎないこと。「初心者は登りたい気持ちが強く、一度登ってからまたすぐに登ろうとしてしまいます。それでは腕がパンパンになって疲れてしまうので、一度登ったら少し間を置いて登るようにしましょう」。

また、自宅では「筋トレなどは必要なく、体を柔らかくするためのストレッチと指先に負荷をかけるトレーニングがおすすめです」と酒井さん。家で簡単にできる練習法の一つとして、「指先を引っかけられる場所で、人差し指から小指までを立てるように引っかけ、少し体重をかけることを意識しながら拳を握るように指先に負荷をかける運動を30回程度やりましょう。指先の感覚を養うことができます」と教えてくれました。

ボルダリングデビュー終えて...

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ボルダリング初体験を終えた2人に感想を聞くと、「やる前は簡単そうに思ったんですけど、実際に壁と向き合ってみると物凄く難しかったですね。ホールドが小さく体重をかけられる部分が限られていて踏ん張る力が必要だなと。検定まで3カ月あるので『絶対に合格してやる』っていう気持ちになりました!」と豊田さん。葉月さんも「難しい課題になると『無理!』って心が折れそうになっちゃいました(笑)。でも、練習を重ねていけば登れるようになるはず。今日は難しい課題は完登できませんでしたが、惜しいところまではいけたので検定までにしっかり練習して合格できるように頑張ります」と笑顔で話してくれた。

幸先の良いスタートを切り、ここからは「トレーニングあるのみ」と意気込む豊田さんと葉月さん。このシリーズでは今後も2人の挑戦を追っていきます。次回は実際の『ボルダリング検定』の会場への潜入レポートをお届けします。お楽しみに!

Fish and Bird 二子玉川店の公式HPはこちら
http://fish-bird.co.jp/fab_f.html

ボルダリング検定の公式HPはこちら
http://www.jcga.co/bouldering.html

取材・文:篠幸彦
写真:窪田亮
撮影協力:Fish and Bird 二子玉川店

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