尾川とも子が教える ボルダリングで"理想のカラダ"を手にいれよう!【前編】

しなやかで引き締まったカラダは、女性にとって憧れの一つ。でもダイエットのためにせっかく登録したスポーツジムは通うのが面倒だったり、自宅で簡単と言われたトレーニングも全然続かなかったり。理想のカラダを手に入れるのは簡単ではありませんよね。そんなあなたにぜひおススメしたいのが、ボルダリング! 実は、美ボディを手に入れるのに最適なスポーツなんです。そこで今回は、ボディメイクの観点から見たボルダリングの魅力について、日本人女性初のプロクライマー尾川とも子さんに教えてもらいました。

ボルダリングに理想の体型=しなやかなカラダ

女性らしいしなやかなカラダというのは、しなやかな筋肉をバランスよくつけることで手に入れられるものです。そして、しなやかさは筋肉に力を入れて緊張させている状態と、筋肉を緩め弛緩した状態を繰り返すトレーニングによって作り上げられます。ボルダリングは、その「筋肉の緊張と弛緩」を繰り返すスポーツです。つまり、ボルダリングを上達しようと続けていけば知らず知らずのうちに、しなやかで引き締まったカラダを作ることができます。さらに、気になる部分の筋肉を意識して登れば、シェイプアップの効果はより高まります。

また、カラダの美しさは正しい姿勢にも表れます。例えば、背中が丸まった猫背の人は美しいカラダとは言えません。自重で壁を登るボルダリングでは、最小の動きで最大のエネルギーを出す必要があります。言い換えると、省エネが求められるスポーツです。猫背の状態でも登ることはできますが、必ずどこかに無駄な負荷がかかってエネルギーをロスしてしまいます。そのまま登り続ければロスは大きくなり、すぐつらくなって壁から落ちてしまいます。そのロスをなくすために、正しい姿勢を身につけて、身体に正しい負荷をかけることがボルダリングでは大切です。

teamau_201809_05_01.jpg

ボルダリングでダイエットが続く理由

どんなに最適なスポーツやエクササイズであっても、続かなければ意味がありません。ダイエットやカラダ作りで一番難しいのが継続することです。痩せたいという思いで始めても、続かずにすぐ止めてしまう人が少なからずいると思います。ジムで淡々と筋肉を動かすだけでは、やはりつらいと感じてしまうのも無理はありません。その点、ボルダリングは頭を使いながらゲーム感覚で楽しくやれるスポーツです。なにをやるにしてもまずは楽しくなければ続かないものです。

それから、ボルダリングで壁を登る時には、自分の何十kgとある身体を持ち上げる必要があります。すると「自分の身体ってこんなに重いの?」と実感することになります。普段の生活で自分の身体の重さを実感するのは、階段を登る時くらいでしょう。壁をより負担なく登るためには、体重は軽いに越したことはありません。身体の重さを実感することで、痩せたいというモチベーションが生まれてきます。

もう一つ、競争意識という要素もあります。ボルダリングをしていて、自分と同じような体型の人が自分より登れていると、ちょっと悔しいと感じるものです。そうすると「自分だってもっとできるはず」と目に見えた指標ができます。

このように、楽しい、痩せたい、もっと登れるようになりたいなど、複数のモチベーションがあることで継続することができます。どれか一つだと飽きてしまったり、つらくなったり、モチベーションが維持できず続かないこともあるでしょう。さらに、ジムに通うことでボルダリングを通じて仲間ができ、仲間がいることも継続できる大きな理由になります。

期待できるシェイプアップ

ここからは、ボルダリングでシェイプアップできる部分をいくつか紹介します。まずはふくらはぎ。ボルダリングでは壁を上る時、基本的につま先立ちになります。常に負荷がかかり、筋肉を意識しておきたい大事なパーツでもありますね。それから、ホールドを掴む時には両腕を開いて閉じる、を繰り返します。これによって胸の筋肉を鍛えられ、バストアップに繋がります。次に、ウエスト周り。ボルダリングで重要な動作の一つに体を捻る動きがあります。これを意識することで、引き締まった腰回りを作ることができます。さらには、気になる女性も多い二の腕。身体を押し上げるプッシュという動きによって引き締められます。そして、一番高い効果が期待できるのがヒップです。登る時はお尻の筋肉を締め上げるのが基本で、緩んでいるとうまく登ることができません。お尻の筋肉を常に意識することになるので、ヒップアップしたい人には特におススメです。

teamau_201809_05_02.jpg

初心者が気をつけておきたいポイント

最後に、ここまで読んでボルダリングを始めてみたいと思った未経験の方やビギナーの方に、ボルダリングで気をつけておきたいポイントを2つお伝えします。1つ目は"登り方"です。先ほど筋肉の緊張と弛緩について話しましたが、ビギナーにありがちなのがずっと緊張した状態で登ってしまうことです。上手な人は緊張と弛緩を繰り返して登っています。仮に、お腹と壁の間にバランスボールを挟んでいる状態をイメージしましょう。上手な人はそのボールを押して、離して、を繰り返して登るのに対し、ビギナーの場合は(ボールを壁に)ずっと押し当てた状態で登ってしまう、といったイメージです。これではエネルギーのロスが大きくなってしまうので、筋肉を緊張させたあとは弛緩を意識して登りましょう。

もう1つは、登る時に"円を意識すること"。関節は円運動で動くようにできているので、円を意識することで身体が滑らかに動くようになります。ですから、ホールドを掴みにいく時は直線的にではなく、おへそを中心として円を意識して、腕や足を動かすことで体全部を使って綺麗で滑らかに登ることができます。逆に、直線的に力任せで取りにいくと腕だけに縛られた動きとなり登りに良くないだけでなく、しなやかというよりムキムキな筋肉がついてしまうのでボディメイクの観点でも良くないのです。

「知らず知らずのうちに、しなやかで引き締まったカラダを作ることができます」――ボルダリングが"理想のカラダ"作りに最適な理由、おわかりいただけたでしょうか。後編では、パーツ別のおススメシェイプアップトレーニングをご紹介します。

  • prof_ogawa.jpg
  • 尾川とも子(おがわ・ともこ)
    日本人女子初のプロクライマーとして、大会に出場しつつ外岩にも挑戦。2012年には世界で女性初の難易度V14を達成し、世界で最も活躍したクライマーに送られるGolden Piton賞を受賞。
    現在は1男1女の2児の母であり、ママさんクライマーとして活動するかたわら、TV出演や『誰でも始められる ボルダリング』の出版、ブログでクライミングの魅力を発信している。
    公式HP: http://ogawatomoko.com/

取材・文/篠幸彦
写真/森口鉄郎
ヘアメイク/長澤理恵
撮影協力/PUMP CLIMBING ACADEM

powered by climbers