TEAM au激闘の記録/IFSCクライミング世界選手権

9月16日、熱戦に幕を下ろしたIFSCクライミング世界選手権。TEAM auからは楢﨑智亜、藤井快、楢﨑明智、野口啓代、野中生萌の5選手が参戦した。トップクライマーがしのぎを削った最高峰の舞台を終え、選手たちは何を思い、何を語ったのか?10日間に及ぶ激闘を選手の言葉と写真で振り返る。

2年前から成長したことを証明したかった (野口啓代)

ボルダリングの決勝課題は今年のW杯では体験したことのないレベルの難しさで、オブザベーションをした時点では4本とも登れるイメージが持てませんでした。第1、第2課題でまったく対応できず、気持ちが切れてしまいそうになりましたが、ここまでタフなシーズンを戦ってきた自分を信じて、何とか立て直すことができました。過去2回の世界選手権では連続して3位だったので、2年前より自分が努力をして、成長していることを証明したい気持ちがありました。最後に順位を上げることができて嬉しいです。

優勝したヤンヤ(・ガンブレット)は本当に強い。ミスが少なくて、どんなシチュエーションでも実力が出せる。また、彼女のすべての課題、コンペに全力で挑んでいく姿勢は尊敬しています。私は彼女を追う立場なので、少しでも追いついていきたいです。

コンバインドは優勝を狙っていたので、とても悔しいです。スピードは初めて使うパット(フライング計測用のフットパット)で、予選からフォルススタート(フライング)する選手が多くて、気を付けていたつもりでしたが、スピードの結果でヤンヤにプレッシャーを掛けたい気持ちがあったので、攻め過ぎてしまいました。

納得のいく結果ではありませんでしたが、世界のなかでの今の自分の実力を測ることができたので、とても有意義な2週間だったと思っています。コンバインドでも自分はメダル圏内にいることが確認できました。トレーニングを重ねて、1年後の東京での世界選手権でいい姿を見せたいです。優勝を目指すには、もう一回りも二回りも強くなる必要があると感じています。

リード

8位

スピード

47位(10秒54/自己新記録)

ボルダリング

2位

コンバインド

4位(54ポイント/S6位、B3位、L3位)

今の自分にできることは出し切れた (野中生萌)

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今大会はリードの予選で肩を痛めてから、自分が思うようなパフォーマンスは出すことができませんでした。そんな状況でもしっかりボルダーのファイナルに残って、最後には順位を一つ上げることもできました。今の自分にできることはすべて出し切れたと感じています。

コンバインドのリード、ボルダーはすでに強い選手が確立していますが、スピードはまだフラットな状態。だからこそ、この種目で勝てるようにトレーニングをしていきたいです。今回は結果的にフォルススタート(フライング)になってしまいましたが、安易に守りに入らず攻める姿勢は大切にしていきたい。表彰台は狙えないポジションでしたが、最後まで楽しんで競技することができたと思います。

怪我をしたこと、その状況のなかでも勝負をしたこと、すべてが次に繋がると信じています。ただ、もう「当分登りたくない」ってくらい登りましたね(笑)。

リード

16位(準決勝進出)

スピード

28位(9秒06/日本新記録)

ボルダリング

5位

コンバインド

5位(64ポイント/S4位、B4位、L4位)

今年は欲しいタイトルがすべて取れなかった (楢﨑智亜)

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ボルダリングで決勝に残れなかったことは今大会で一番ショックでした。絶対に決勝に行けると思っていたので、本当に悔しいです。準決勝3課題目のゴール取りでハマってしまいました。

コンバインドは正直なところ、この結果は予想外でした。決勝に日本人が3人も残っていたにも関わらず、誰もメダルが獲れなかった。スピードで6位になって、ヤコブ(・シューベルト)が2位に入った時点で優勝は厳しいかなと感じました。表彰台を目指して気持ちを切り替えて登りましたが、結果に繋がりませんでした。

スピードはもちろんですが、リードの強化も課題。今シーズンは体も動いていて、調子もよかったのに、結果に結びつかないことが多く、コンペに臨む姿勢やメンタルの作り方の部分でまだまだ成長しないといけないと感じました。今年は欲しいものが全部獲れなかった。来年の世界選手権でのリベンジを目指して、冬のトレーニングを頑張ります。

リード

13位(準決勝進出)

スピード

21位(6秒69/日本新記録)

ボルダリング

7位(準決勝進出)

コンバインド

5位(72ポイント/S6位、B3位、L4位)

来年の世界選手権こそ表彰台に (藤井快)

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ボルダリングは準決勝にピークが来てしまったかもしれません。ファイナルは第2課題のスラブ(緩傾斜壁)にまったく対応できなかったのがすべてです。今後に向けてトレーニングすべき課題を見つけることができました

スピードはタイムに集中し過ぎると一つのミスで勝てなくなってしまう。多少のミスがあっても最後まで諦めない気持ちが大会では大切になると感じました。やはり隣の相手も視界に入るので、経験を積んでどんな状況でも安定したパフォーマンスを発揮できるようになりたいです。次は11月のアジア選手権にフォーカスしていきたい。複合種目での出場になるので、今回の経験を生かしていきたい。今回は不甲斐ない結果だったので、来年こそは表彰台に登れるように頑張ります。

リード

27位(予選敗退)

スピード

36位(7秒28/自己新記録)

ボルダリング

5位

コンバインド

6位(90ポイント/S3位、B6位、L5位)

リード4位は大きな自信に (楢﨑明智)                     

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窪田美和子/アフロ

リードはあの強力なメンバーが揃ったなかで4位に入れるとは思っていませんでした。この成績を残せたことは大きな自信に繋がりました。でもリードで燃え尽きてしまった部分もあるかもしれません。ボルダリングは調子が上がらなくて、普段なら問題ない課題でも登ることができませんでした。単純に僕がまだまだ弱いということだと思います。世界でも戦える手応えは感じることができたので、(兄の)智亜と一緒に冬のトレーニングをしっかり取り組んでいきたいです。

リード

4位

スピード

42位(7秒62)

ボルダリング

37位(予選敗退)

コンバインド

(出場無し)

写真/窪田亮
文/CLIMBERS編集部

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