TEAM au楢﨑明智がボルダリング、リードで2冠!伊藤ふたばも2種目で表彰台に/IFSC世界ユース選手権2018

2018年 8月9日から16日までロシア・モスクワで開催されたIFSC世界ユース選手権2018。TEAM auからは、男子の「ジュニア」カテゴリーで楢﨑明智が出場し、世界ユースで自身初となる単種目での優勝をボルダリングで達成。続いて行われたリードでも頂点に立ち、2つの金メダルを獲得した。女子では、「ユースA」カテゴリーの伊藤ふたばがボルダリングで3位に。昨年に続く優勝とはならなかったが、自身3大会連続で表彰台に上がり、さらにリードでは2位という好成績を収めている。

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ボルダリング・ジュニア男子では、"ボルダーに強い"日本勢が世界ユースの舞台でも躍動した。10日に行われた準決勝で楢﨑を含む日本人3選手が上位を独占し、迎えた11日の決勝。しゃがみ込みからのランジスタートとなった第1課題は、他国の3選手がゾーン獲得0で終えた中、5番手の楢﨑がゾーンを捉える。第2課題では、スタートからのムーブがなかなか決まらなかった楢﨑が10トライ目でそのムーブをピタリと止めると、見事TOPまで登り切り同課題2人目の完登者に。第3課題を終えて、2完登3ゾーンの原田海が首位に立ち、完登に要したアテンプト数の差で楢﨑が続く形となった。

そして最終の第4課題、まず楢﨑が一撃で仕留め、ヤニック・フローエを抜いて首位で原田の結果を待つ展開に。原田は1トライ目でゾーンを掴むと、そのままTOPにまで左手をかけたものの滑り落ちてしまう。その後は優勝への一手を決めることができず、王座は楢﨑の手に渡った。楢﨑は昨年コンバインド(3種複合)を制していたが、単種目での世界ユース優勝はこれが初めてだ。

15日に開催されたリードでもボルダリング同様、順調に準決勝を突破した楢﨑。6番手で登場した決勝も、序盤からテンポ良く一気に高度を上げていく。37地点まで登ると、そこからランジ(壁内でジャンプしホールドを取りに行く大技)でTOPホールドを掴み、クイックドロー(ロープをかける金具)にロープを通した。この大胆なゴール取りには会場から大きな歓声が沸き起こる。そして最終のフィリップ・シェンクが33+に終わった瞬間、楢﨑の2冠達成が決定した。

ボルダリング・ユースA女子では、伊藤を含む3人の日本人選手全員が予選を通過。3位以下が2完登にとどまった準決勝も、伊藤と菊地咲希が全4完登で1、2位通過を果たした。しかし12日に行われた決勝では、その難解な課題がここまで全8課題を完登していた伊藤を苦しめる。

菊地をはじめ前に登る3人が完登していた第1課題、伊藤は3トライ目でゾーンを獲得するも、その先の一手を止められず4位スタートと出遅れてしまう。続く第2課題は、高いフィジカル能力が求められるムーブの後のゴールへの飛びつきに失敗する選手が続出し、最終競技者の伊藤を迎えるまで完登者は0。順位を上げる機会がめぐってきた伊藤は、長い手足を駆使して4トライ目にゾーンを捉えると、そのままゴールへ迫る。左手でTOPを掴み、あとは態勢を整えるのみだったが、足の置き位置が定まらなかったのかまさかのフォール。この課題唯一の完登者になるチャンスを逃し、会場からは大きなため息が漏れた。

6人全員がゾーン獲得にとどまった第3課題を終えて、首位は1完登3ゾーンのルッカ・ラコヴェック(スロベニア)。これを1完登2ゾーンの菊地が3位、0完登3ゾーンの伊藤が4位で追い、最終課題に突入する。だがここで、ラコヴェックが完登を逃した後に登ったローラ・ロゴラ(イタリア)が巧みな動きで一撃し、暫定首位に浮上。この時点で日本勢の優勝の可能性は潰えてしまう。それでも伊藤は5トライ目に意地の決勝初完登を決め、菊地を抜いて3大会連続となる表彰台に達した。

その3日後、伊藤はリード・ユースA女子の決勝に、再び準決勝1位通過で参戦。先頭のカミール・プージェ(フランス)が29+、他の2選手も30+でフォールと、30地点前後が鬼門と見られた中で、これを突破したのが6番手のブルック・ラバトウ(アメリカ)だった。圧倒的なパフォーマンスで高度を37+まで伸ばした昨年の銀メダリストに対し、最後に登った伊藤は30地点こそ抜けたものの、32に手が届かず31+でフォール。ラバトウに次ぐ2位で、今大会2つ目のメダルを手にした。

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なお、楢﨑と伊藤はスピードにも出場したが、両者とも21位に終わっている。

<楢﨑明智選手 コメント>

出だしからモスクワで食中毒になり、最初はどうなるかと思ったけどボルダリングは最後まであきらめないで優勝できたし、リードは(田中)修太君がハンガーを踏んでが決勝に行けなかったから修太君の分も頑張らないと!と思い出し切りました。
カウントバックでしたが完登で優勝できて、来月の世界選手権につながる、そして体力的にもメンタル的に成長できて、自信がついた大会になりました。
世界選手権も代表に選ばれたのでがんばります。

<伊藤ふたば選手 コメント>

ボルダリングは出し切ったけど、自分らしく登ることができませんでした。
リードは疲労も感じず、調子もよくて予選、セミファイ1位通過したので絶対に優勝したい、と気合入れてましたが粘り切れなかったです。
ユースで勝てないとワールドカップや世界選手権でも上位に行くことはできないと改めて感じたので、今週末気持ちを切りかえてミュンヘンで自分のクライミングしてきます。

<ボルダリング・ジュニア 男子決勝>
1位:楢﨑 明智(19)/3t4z 15 17
2位:ヤニック・フローエ(18/ドイツ)/3t3z 13 10
3位:原田 海(19)/2t4z 6 11

<リード・ジュニア 男子決勝>
1位:楢﨑 明智(19)/TOP ※準決勝3位
2位:ヤコブ・コーンクニー(19/チェコ)/TOP ※準決勝5位
3位:原田 海(18)/36+

<ボルダリング・ユースA 女子決勝>
1位:ローラ・ロゴラ(17/イタリア)/2t3z 2 3
2位:ルッカ・ラコヴェック(17/スロベニア)/1t4z 4 9
3位:伊藤 ふたば(16)/1t4z 5 13

<リード・ユースA 女子決勝>
1位:ブルック・ラバトウ(17/アメリカ)/37+
2位:伊藤 ふたば(16)/31+
3位:サンドラ・レトナー(17/オーストリア)/30+

※左から氏名、年齢

写真:窪田美和子/アフロ
文:CLIMBERS編集部

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