TEAM au 野口啓代、藤井快がアベック優勝!/ボルダリングW杯2018 第3戦重慶大会

写真:新華社/アフロ

5月5・6日、ボルダリングW杯第3戦が中国・重慶で行われ、TEAM auの3選手が表彰台に登った。女子は野口啓代が3年ぶり19度目の優勝を飾り、野中生萌は2戦連続の2位。男子でも藤井快が自身4度目となる頂点に輝いた。日本勢の男女アベック優勝は2016年ミュンヘン大会でのTEAM auの楢﨑智亜と野中以来2年ぶりとなり、今年3月のボルダリングジャパンカップで国内王者に輝いた2人が重慶の地でも笑顔を見せた。

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女子は開幕戦から絶好調の野口、野中のコンビが重慶でも躍動。最大のライバルであるショウナ・コクシー(イギリス)、ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)の2人が欠場するなか、予選で各組1位、準決勝では1、2位となり、取りこぼした課題は0と圧巻の登りを披露する。決勝でも、他の選手がゾーン(コース途中に設置された順位決定時に加点となるホールド)も触れなかった第1課題を野口が一撃(最初のトライで完登)、野中は2トライ目での完登と力の差を見せつける。

一騎打ちの様相を呈するなか、第2課題で勝負を分ける山場が訪れる。バランス感覚が求められる傾斜の緩い壁の上でホールドに立ち上がる難所に多くの選手が苦戦を強いられるが、野口は2トライ目で攻略。しかし、野中は最後まで対応できず、この課題をゾーンすら掴めずに終える。野口は第3課題を一撃し、続く野中が2トライ目での完登に終わったことで優勝が確定。最終課題も登り切り、予選から決勝まですべての課題を登るパーフェクトな内容で、今シーズン初優勝をものにした。野中も3完登と追随し、3大会連続の表彰台となる2位となった。また、TEAM auの伊藤ふたばは16位で準決勝敗退となった。

男子は開幕から2戦連続で決勝進出を逃していた藤井が、準決勝を通過ラインぎりぎりの6位で突破。日本勢から唯一のファイナリスト入りを果たす。一方、第2戦からの連続優勝が期待された楢﨑は準決勝敗退となった。

決勝第1課題は全員が一撃し横一線のスタートとなったが、第2課題は一転して明暗が分かれる。先頭の藤井が足場の難しいムーブに苦戦するも残り4秒で完登すると、後続のヤコブ・シューベルト(オーストリア)とショーン・マッコール(カナダ)が一撃。あとの3人はゾーン止まりとなった。難関となった第3課題は全員がゾーンすら触れずに最終課題に突入する。2完登で3位につける藤井は、終盤の苦しい体勢から素早い手の持ち替えで一気に飛びつき片手でゴールを止めると、会場からどよめきと歓声が沸き起こる。藤井がプレッシャーをかけると、同じく2完登だったシューベルトとマッコールは完登ならず。藤井が準決勝6位からの逆転で、昨季開幕戦以来の優勝を決めた。

同日に開催されたスピードW杯第2戦では、日本から男子が6名、女子は5名がエントリーするも、いずれも予選敗退。しかし、藤井の7秒83をはじめ3名が自己ベストを更新した。女子優勝はエリーズ・スーザンティ・ラハユ(インドネシア)が初、男子はドミトリー・チモフェーエフが2016年重慶大会以来の優勝に輝いている。

藤井が今季初のファイナルを制し、野口が3年前と同じ重慶でついに頂点に返り咲いた今大会。翌週12・13日に開催される第4戦・奉安大会は誰が主役になるのか楽しみだ。

<野口啓代選手 コメント>

今シーズン3戦目にして念願の優勝をすることが出来ました!2015年以来3年振りの優勝は格別に嬉しいです!昨シーズンは2位や3位ばかりだったので、今シーズンは絶対に優勝したいと思っていました。初戦から優勝の可能性を感じながらも、なかなか決勝で思うようなパフォーマンスが出来なかったので、今回はとにかく決勝でベストパフォーマンスを出し切れるようにピーキングしました。久しぶりの優勝に一安心したいところですが、来週末も中国での泰安大会と続きます。また決勝で満足のパフォーマンスができるよう頑張ります! まだシーズン中ではありますが、これまで支えて下さった沢山の方にお礼を言いたいです。やっとここまで戻ってこられました。そしてこれからは今まで以上に進んで行きます!これからもサポートよろしくお願いします!

<野中生萌選手 コメント>

準決勝を1位で通過できたことはとても大きな収穫になりました。また3戦連続で表彰台に乗れたことも嬉しく思っています。またすぐに中国で第4戦目があるので、さらに調子を整えていきたいです。

<伊藤ふたば選手 コメント>

予選からギリギリの通過で、準決勝も全く対応が出来ず、まだまだ自分が足りていないと感じました。来週もまたすぐ中国での4戦目があるので、意識的に変えられる所はしっかり変えて、次は今回より順位を上げられるように頑張りたいです!

<藤井快選手 コメント>

今シーズン調子が上がらず、苦しいスタートでしたが、優勝することが出来て嬉しいです。嬉しい反面、まだまだ課題はたくさんあります。この優勝は大きな糧になると思います!応援ありがとうございました!

<楢﨑智亜選手 コメント>

準決勝は1つのミスも取りこぼせない課題で、そこを修正できなかったです。来週末の泰安大会まで短い時間ですがもう一度自分のクライミングを見直していきたいです。開幕から3大会日本人の優勝が続いているので日本チームの勢いをもっとつけていけるように頑張ります。

<女子決勝>
1位:野口 啓代(28)/4t4z 5 5
2位:野中 生萌(20)/3t3z 7 7
3位:スターシャ・ゲージョ(20/セルビア)/1t3z 2 7
4位:エカテリーナ・キプリーアノワ(28/ロシア)/1t1z 1 1
5位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/1t1z 2 1
6位:カーチャ・カディッチ(22/スロベニア)/1t1z 4 4
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16位:伊藤 ふたば(16)※準決勝進出

<男子決勝>
1位:藤井 快(25)/3t3z 9 8
2位:ショーン・マッコール(30/カナダ)/2t3z 2 4
3位:アレクセイ・ルブツォフ(29/ロシア)/2t3z 5 7
4位:ヤコブ・シューベルト(27/オーストリア)/2t2z 2 2
5位:ヤン・ホイヤー(26/ドイツ)/1t3z 1 3
6位:イェルネイ・クルーダー(27/スロベニア)/1t2z 1 3
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11位:楢﨑 智亜(21)※準決勝進出

※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、決勝成績
※決勝成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

2018年5月8日

文/篠幸彦

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