TEAM au 楢﨑智亜、待望の金メダル!/ボルダリングW杯2018 第2戦モスクワ大会

写真:Ryu Voelkel/アフロ

4月21・22日、ボルダリングW杯第2戦がロシア・モスクワで開催された。男子はTEAM auの楢﨑智亜が決勝を唯一の全完登で2年ぶり3度目となる優勝を果たし、女子では熱戦を制したヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が優勝、TEAM auの野中生萌、野口啓代の2人も初戦に続いて表彰台に登った。

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写真:Ryu Voelkel/アフロ

2016年の世界選手権パリ大会以降、国内外を通じて一度も頂点に立てていなかった楢﨑が、見事な逆転劇で待望の金メダルを獲得した。男子決勝の第1課題、バランス感覚が求められるスラブ(緩傾斜壁)上で飛びつく難所を6トライ目で攻略し完登した楢﨑は、昨シーズンの年間王者チョン・ジョンウォン(韓国)らに次ぐ4位でのスタート。続く第2、第3課題も完登し、2位まで順位を上げる。そして勝負を分ける最終課題は、楢﨑が得意とするダイナミックなものだった。ぶら下がった状態から勢いをつけて足場に飛び乗り、そのままダブルダイノ(ジャンプして両手でホールドを掴みにいくこと)するパートを、楢﨑はバネのような動きで見事に2トライで攻略。最終競技者のチョンは3トライ以内の完登で優勝というシチュエーションだったが、序盤のダブルダイノに苦戦し、完登ならず。課題を進めるごとに順位を上げた楢﨑が全完登で優勝を成し遂げた。2位には初戦優勝者のイェルネイ・クルーダー(スロベニア)、3位には初のファイナルを戦ったグレゴール・ヴェゾニックが入った。なお、TEAM auの藤井快は17位で準決勝敗退となった。

女子では、1週間前のスイス・マイリンゲン大会に続いて野口、野中の2人がファイナリスト入り。決勝の第1課題は、足の置き場に苦慮する繊細なスラブに多くの選手が苦しむ中、野中、ガンブレットらがTOPを射止める。その後、野中が第2課題を2トライ目で、第3課題を一撃(最初のトライで完登)すると、ガンブレットもまったく同じスコアで進んでいった。最終課題、ファーストトライの野中はダイナミックなムーブを止め会場を沸かせると、その勢いのままTOPを掴み雄叫びを上げる。優勝するには一撃しか残されていない状況のガンブレットだったが、スロベニアの19歳は貫禄すら感じさせる圧巻の登りでミッションを完遂。同一スコアの場合は準決勝での成績が優先される(カウントバック)ため、準決勝1位のガンブレットが今季初優勝を飾った。野中は準決勝の結果に泣き2位、野口は最終課題で逆転し3位に食い込んだ。

また、今大会ではスピードW杯の開幕戦も同時開催された。日本からは男女各6人がエントリーしたが、1人も予選突破はならず。男子では緒方良行の43位(7秒90)、女子では野中生萌の44位(10秒51)が最高だった。男子決勝は現世界記録(5秒48)を持つレザー・アリプアシェナ(イラン)が5秒82という好記録で圧勝。女子は昨シーズンの年間女王アヌーク・ジョベール(フランス)が世界記録に並ぶ7秒32を叩き出し、優勝に華を添えている。

楢﨑が第1戦で2位、第2戦で優勝と見事なスタートダッシュを切り、女子も野中、野口が2大会連続で表彰台に並び立つなど2018年も好調の日本代表。TEAM auとしても2大会連続で3人が表彰台に登る快挙となった。TEAM au最年少15歳の伊藤ふたばも初戦の27位から大幅に順位を上げる8位フィニッシュで今後の飛躍に期待を感じさせており、楽しみは尽きない。

<楢﨑智亜選手 コメント>

優勝できると思っていても、いつも2位から抜け出すことができなかったので、久しぶりの優勝(2016年W杯最終戦ミュンヘン大会以来)はメチャクチャ嬉しいです。初戦から調子もよかったので今回は絶対にいけると思っていました。全完登できたのも気持ちよかったです。いいイメージをキープして次に備えたいです。スピードは、練習と大会では雰囲気も違って自己ベストには遠かったですが、いい勉強になりました。さすがに2週間の海外遠征は疲れました! 応援ありがとうございました。

<野中生萌選手 コメント>

ファイナルでは全完登できましたが、カウントバックで敗退してしまい本当に悔しいです。 ですが、2大会連続で表彰台に登れたこと、1戦目に続き攻めたイイ登りができたことは、とても自信になりました!応援ありがとうございました!!

<野口啓代選手 コメント>

W杯第2戦モスクワ大会が終わりました。結果は初戦と同じ3位でした。予選、準決勝とかなり安定しているものの、なかなか優勝することができず悔しいです。また今回はスピードのW杯にも参加し、予選突破はできなかったものの自己ベストを更新することができました。世界選手権に向けて3種目の対策をしながらボルダーシーズンを送れています。次は2週間後に中国でのW杯2連戦です。しっかり調子を整えて次こそ優勝したいです!

<伊藤ふたば選手 コメント>

初戦で悔しい思いをしたので、このモスクワ大会は全力をぶつけました。予選通過に満足せずに、次の中国でのW杯でもより上位に行きたいです。

<男子決勝>
1位:楢﨑 智亜(21)/4t4z 12 12
2位:イェルネイ・クルーダー(27/スロベニア)/3t4z 5 6
3位:グレゴール・ヴェゾニック(22/スロベニア)/3t4z 6 9
4位:チョン・ジョンウォン(22/韓国)/3t4z 9 18
5位:アレクセイ・ルブツォフ(29/ロシア)/2t4z 4 27
6位:ガブリエーレ・モローニ(30/イタリア)/2t3z 7 14
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17位:藤井 快(25) 準決勝進出

<女子決勝>
1位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/4t4z 7 5 ※準決勝1位
2位:野中 生萌(20)/4t4z 7 5 ※準決勝4位
3位:野口 啓代(28)/3t4z 8 9
4位:ペトラ・クリングラー(26/スイス)/3t4z 9 10
5位:ファニー・ジベール(25/フランス)/2t3z 2 3
6位:ショウナ・コクシー(25/イギリス)/1t3z 4 6
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8位:伊藤 ふたば(15) 準決勝進出

※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、決勝成績
※決勝成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

2018年4月24日

文/篠幸彦

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