TEAM au 野中生萌 "強いクライマー"になるための5つの言葉

2017年8月 クライミングW杯のボルダリング今季最終戦がミュンヘンでが行われた。
TEAM au 野中生萌は予選で5課題すべて完登しトップ通過を果たすも、準決勝は精彩を欠き決勝進出を逃した。

日本勢の活躍が光った今大会だったが、一方で悔しさ残る結果となってしまったのは日本女子のボルダリング界を引っ張るTEAM au野中生萌。

最終戦は逃したものの年間ランキングでは、女子世界4位と輝かしい成績を残した。

彼女の"強さ"の原点とは。

最終目標は"強いクライマー"になること

「目標は人それぞれ違っていいと思うのですが、私は記録や栄誉を目指してきたのではなく、ただとにかく強くなりたいって」

"強いクライマーになる"野中にとっては、その延長線上に世界の頂点がある。

野中がクライミングと出会ったのは9歳のとき。登山をしていた父親のトレーニングの一環で家族とクライミングジムに行ったのが始まりだ。

当初は二人の姉に勝てず、その悔しさから毎日のようにジムに通い詰めるようになったという。中学時代に頭角を現し始め、その後16歳で初参戦となったW杯・フランス大会で2位。そして去年のインド・ナビムンバイ大会で、悲願のW杯初優勝を飾った。

今でこそ、世界のトップクライマーと呼ばれるまでに成長した野中。そんな彼女の支えとなっていた5つの言葉がある。

「負けたくないなら強くなれ」「傷ついた分だけ優しくなれ」「遅れた分だけ取り戻せ」「転んだら何度も立ち上がれ」「今に見てろと笑ってやれ」

写真
写真/野中生萌

この言葉を野中は毎年スケジュール帳の最後に書き記している。

「まさに最初の言葉とか負けたくないなら強くなれって言葉は本当にその通りだなと思うんですよね。負けたとしてその理由をいろいろ考えるじゃないですか。そういうのももちろん大事なんですけど、何かを考えるよりも強くなれれば、強ければ勝てるから、だったら強くなろうみたいな。」

小学校高学年のとき、姉の部屋の壁にこの言葉が貼ってありそれを見て以来、大切にしているという。

「私がクライミングを始めたときからずっとこういう考えはあったんですけど、はっきりと言葉に書いて表したことはなくて、これがまさに自分の思っていることだったので、私の考えですね。」

写真
写真/野中生萌

そして、この5つの中でも一番大事にしている言葉を聞いてみた。

「やっぱり「今に見てろと笑ってやれ」ですかね。最終的に負けたくないなら強くなれ、傷ついた分だけ優しくなれ、段階を踏んでいって最終的に「今に見てろと笑ってやれ」と」

6月に行われたW杯インド・ナビムンバイ大会。野中は去年この大会で優勝していただけに、連覇が期待されていた。しかし、結果は惜しくも2位、今季初優勝にあと1歩届かなかった。そのとき、彼女はこう思ったという。「今に見てろよ」と。

「今を乗り越えれば絶対に強くなれるし、めちゃめちゃ前向きな言葉ですよね。いきつくのはやっぱりこういう考え方」

続くW杯最終戦は、まさかの準決勝敗退。野中は年間ランキングでも4位と表彰台に届かなかった。

それでも野中に落ち込んだ様子はなく、むしろ気持ちはすでに前を向いていた。

「ずっと調子も悪くなくて今シーズンは大きい怪我をせずに調子を常にキープしてこれたので、その中でもこの最終戦で結果が残せなかったというのは何か意味のあることだと思うので次に繋げられるように頑張りたい」

野中の最終目標"強いクライマーになる"

まだ彼女は20歳。この先目標が達成されるまで、彼女は挑み続ける。悔しさを力に変えるこの言葉を胸に...

「今に見てろと笑ってやれ」

powered by SPORTS BULL